
鉄道で行けるイタリアの最も美しい村々 1
トスカーナ、ウンブリア

鉄道で行けるイタリアの最も美しい村々 1
トスカーナ、ウンブリア
スタッフが実際に訪れた「イタリアの最も美しい村々」を鉄道でめぐる
イタリアを旅する魅力は、大都市ばかりではありません。 イタリアには、一般的にはあまり知られていない、しかし歴史的価値やその景観の美しさを持つ「イタリアの最も美しい村々」があります。2025年現在の総数は372ですが、そのほとんどはアクセスしにくい辺境の村ばかり。それゆえ何世紀にもわたって創られ、受け継がれてきた美しさを守り、維持することができたとも言えます。
ですが、中には都市部から鉄道でアクセス可能な村もあります。当社がグループツアーや個人的視察を通して訪ねてきた中から、鉄道で訪れることができる「イタリアの最も美しい村々」を紹介します。実際に訪ねているだけあって、訪れた村は全てすみからすみまで熟知しているので、パッケージツアーでは訪れることができないオーダーメイドの「イタリアの最も美しい村々」旅行のご案内が可能です。
「イタリアの最も美しい村々」とは… 辺境にあるおかげで何世紀にもわたって創られ、受け継がれてきた美しさを守り、維持することができた小さな町。Borgo(複数形でBorghi)は直訳すると「村」ですが、「村」という言葉だけでは「Borgo」の本質を十分に説明できません。「Borgo」とは、中世からルネサンス期に遡る、魅力的なイタリアの小さな町で、一般的に要塞化されています。 世界遺産や巨大な建造物など、派手な観光要素はありませんが、風景から発せられる雰囲気や過ぎゆく時間の魅力など、「幸福の約束」として理解される美しさを特徴とする、村自体が「オープン・エア・ミュージアム」です。要塞の村や中世の町、海辺の村や山間の村、城の村や田舎の村まで、さまざまです。都市よりもゆっくりとしたペースで時が進み、季節の流れや人間と自然のバランスを感じ、おもてなしと快適な暮らしを特徴とする地元の人々と一緒に時間を過ごすことができる、それが「イタリアの最も美しい村々」です。 その認定条件は、以下の通りです。 - 申請自治体および/または文化遺産・環境保全省によって建築遺産および/または自然遺産として認定されていること。歴史的建造物が全体の建築物よりも優位に立っており、美的に均質な全体を構成している必要があります。 - 都市的および建築的な価値ある遺産を提供すること - 一定の基準を満たす強化、開発、促進、普及の方針を実際の事実を通じて示すこと (I Borghi più belli d’Italia公式ページより抜粋し翻訳)
フィレンツェ、シエナ起点のトスカーナの美しい村 - ブオンコンヴェント
アクセス フィレンツェから直通電車またはシエナ乗換で約2.5時間
村の名前は、幸せで幸運なコミュニティという意味のラテン語「bonus conventus」に由来しています。土地の肥沃さ、アルビア川とオンブローネ川に近いことから得られる利点、そして重要なフランチジェーナ街道またはロメア街道の浅瀬の優れた立地から得られる利点を享受する人々の住む村。
また、ブオンコンヴェントは「自由」も意味しており、不思議なことにこの地にも根付いた典型的な都市現象で、この町を芸術と美的センスの世界の注目を集めるようになりました。ブオンコンヴェントのアールヌーボー様式は、落ち着いた洗練されたスタイルで表現され、素材、色彩、装飾効果が外装だけでなく、フレスコ画、ステンドグラス、錬鉄細工によく表れた花柄の内装にも生かされています。
❑ ブオンコンヴェントの「見るべき」
14世紀にシエナの人々が築いた城壁に囲まれたブオンコンヴェント。主な建造物は、メインストリートのソッチーニ通りに面しています。 通りの中央にある14世紀の長方形の市庁舎の塔と、ファサードに面した2つのゴシックアーチを備えたポデスタ宮。 また、美しいレンガ造りのファサードを持つ印象的なタージャ宮は、18世紀後半に貴族の家族によって建てられました。その向かいには14世紀に遡るボルゲージ宮があります。南北250m、東西150mほどの小さな旧市街にこれだけパラッツォ(宮殿)があることで、この村がいかに豊かだったかが伺えます。
通りの入り口にはサンティ・ピエトロ・エ・パオロ教会があり、美しいレンガ造りのファサードが特徴です。現在の古典的な形態は18世紀の修復によるものです。正面左側の石積みに埋め込まれた十字架を描いた小さな大理石の石には、1103年の日付が刻まれており、これは創建年に相当すると考えられます。1313年、ハインリッヒ7世皇帝はこの教会で亡くなりました。
オスクーラ通りの最初の区間は、明暗のコントラストのある雰囲気を醸し出す断続的なトンネルアーチを備えた一連の陸橋が特徴です。これは「キアッソ・ブイオ」と呼ばれ、中世の石で舗装された道路部分がある最も特徴的なエリアです。
❑ ブオンコンヴェントの宿泊
スタッフが宿泊した、旧市街ソッチーニ通りにあるバケーションアパートメントのLa Casa Gialla di Buonconvento。施設の様子は画像や映像をご覧ください。 駅と旧市街の間には3っ星ホテルがあります。また、ソッチーニ通りの奥にはレストラン兼ホテルがあり、駅近くの3っ星ホテルと同系列です。
❑ Buonconvento Photo Gallarey
ペルージャ、アッシジ起点のウンブリアの美しい村 - スペッロ
アクセス ペルージャから直通電車で約40分、手前の駅はアッシジ
山の斜面に建つスペッロは、スバシオ山から採掘された石灰岩によって建てられた家々をピンク色に照らして、壁や屋根、テラスが浮かび上がり、アッシジとフォリーニョを結ぶ道沿いのオリーブの木々の銀色の光と対比させています。 ピントリッキオの聖母マリア像の繊細な美しさと、サン・クラウディオ教会の純粋なロマネスク様式のラインが、この場所に城壁全体にわたる魅力を加えています。また、門や遺跡などいたるところに、古代ローマの記憶が保存されています。
スペッロは「ユリウスの最も壮麗な植民地」であり、アーチ、円形劇場、アウグストゥス時代の城壁がそれを証明しています。その後の中世には、教会から覗く3つのバラ窓、ジョットの十字架、絵画など、村には新たな宝物が蓄積されました。そして中世の塔の上にそびえ立つオリーブの木は、自然と文化を共存させるべきことを思い出させてくれます。
❑ スペッロの「見るべき」
南部(ボルゴ地区)から始まり、ポルタ・デル・アルチェ(ベルヴェデーレ)まで上っていくと、古代ウンブリア、ローマ、中世、ルネッサンスの雰囲気を味わいながら、この場所の歴史を視覚的にたどることができます。 村の入り口は、南側に位置するコンソラーレ門。この門はアウグストゥス時代の城壁に通じており、3つのアーチがあり、円形劇場のエリアで見つかった共和政時代の3体の彫像が上に立っています。両側には中世の塔があり、その頂上には平和と地元の代表的な産物である油の象徴であるオリーブの木が立っています。
そこから続くコンソラーレ通りが村のメインストリートです。この通りの34番地の建物は、15世紀のもの。 緩やかな上り坂のコンソラーレ通りを上がると、サンタ・マリア・マッジョーレ教会へ。起源は11世紀と言われていますが、ファサードは17世紀に再建されたものです。左側のバオリーニ礼拝堂には、1501年に施されたフレスコ画が今も残ります。 さらに進むと、16世紀の噴水と木立のあるレプッブリカ広場へと続きます。
一番北側に位置する1320年建造のヴァッレグロリア修道院まで来たら、西側に見えるウンブリアの広々とした風景を見ながらトッレ・ヴェルヴェデーレ通りを進むと、サン・セヴェリーノ教区教会と古代ローマのアクロポリスへの入場門アルコ・ロマーノ、通称アウグストゥスの凱旋門をくぐります。 その先には、アウグストゥス帝時代のヴェーネレ門が見えてきます。
❑ スペッロの宿泊
スペッロには3っ星ホテルが数軒あり、また隣のアッシジにも数々のホテルがあります。スタッフが訪れたのは、アッシジからの移動途中でした。
❑ Spello Photo Gallarey
イタリア鉄道旅行をオーダーメイド
「イタリアの美しい村々」では自由に散策し、出来れば宿泊したいもの。起点の町に前後宿泊して「イタリアの美しい村々」を訪れれば、パッケージツアーにはないオリジナルの旅行が可能です。 最低限必要なのは、航空券、各町や村の宿泊、そして移動のためのレイルチケットです。
❑ レイルチケット
イタリアで電車を乗り降りして自由に旅行を楽しみたいなら、日本出発前にユーレイル・イタリアパスが便利。イタリア国鉄(FS)全線にて有効な鉄道パスです。 座席指定が必要なフレッチャロッサやIC、ECなどは、別途パスホルダーチケット(鉄道パス保持者用割引チケット)を購入の上、利用出来ます。私鉄のItaloは利用できません。 利用開始から1ヶ月以内の間で日にちを選んで利用できるフレキシータイプのパスで、3・4・5・8日間の設定が可能です。
日本発着からフル・オーダーメイドでも承りますが、レイルパスだけ購入する場合は以下から購入出来ます。 (注)下記リンクサイトより直接購入される場合は、お客様と株式会社欧州エクスプレス間の契約になります。
❑ オーダーメイド旅行の基本
オーダーメイド旅行の計画は、以下をご参照ください。