
ヨーロッパ・スケッチツアー
スペイン アンダルシア

ヨーロッパ・スケッチツアー
スペイン アンダルシア
スペインの美しい村と「白い村」ルート
スペイン アンダルシアへのオーダーメイド・スケッチツアー催行例です。 グループツアーとして催行したプランですが、これをもとに個人旅行にアレンジすることも可能です。ご要望を添えて見積もりフォーム、又はメールにてお問い合わせ、ご依頼ください。
「フランスの最も美しい村々」をきっかけに「イタリアの最も美しい村々」に出会えたので、「スペインにもあるのでは?」と調べたところ、似たような格付けがありました。 とはいっても、フランスやイタリアのような厳格に認定する協会が存在するわけではなく、「スペイン人が選んだ美しい村」という、漠然とした格付けのようです。その中から、白い村ルートの起点となるアルコス・デ・ラ・フロンテーラから、終点のロンダまでの町や村を取り上げました。
【催行日程】2010年5月24日〜6月2日 【催行人数】14名 【催行形態】単一絵画教室によるグループ 【プランのポイント】オーガナイザーがアンダルシアのロンダ訪問を希望していたので、そこを中心に白い村ルート(プエブロスブランコス街道: Ruta de los Pueblos Blancos)をめぐるプランに仕立てました。
訪れた各町の写真はPhoto Galleryをご覧ください。
アルコス・デ・ラ・フロンテーラ スペイン人が選ぶ美しい村 No.9
この村が位置するカディス県には、「〜デ・ラ・フロンテーラ: 国境、境の」とつく名前が多く、これはキリスト教国とイスラム教国の境だったことに由来します。
アルコス・デ・ラ・フロンテーラも同様で、ローマ人やアラブ人が住み分け、また、その名の通り軍事要塞、市壁といった構成を組み立てたからといわれています。アンダルシアの白い村というと、日本ではミハスやカサレス(後述)が有名ですが、スペインの人々にとっては、この村の方が有名なのだそうです。
この村の中心は、サンタマリア教会、サンペドロ教会、アラブ城跡です。これを中心に、白壁の家並みが丘にそって裾野に広がり、旧市街は狭い道が迷路のように入り組んでいます。
この村で一番良い眺めといわれているのが、サンタマリア教会前にある、ミラドールといわれる見晴らし台から見る景色といわれていますが、実際にそこから眺めると、この村を囲むのどかな牧歌的風景(山々とその間を流れるグアダレーテ川など)しか見えません。
いわゆるスケッチのモチーフにはなりにくいので、ミラドール近くにあるパラドール(国営ホテル)に入らせてもらい、ホテルのカフェテラスより、サンペドロ教会をモチーフに描かせてもらいました。
その他にも、迷路のように入り組む旧市街の路地など、スケッチポイントがたくさんあります。
ロンダスペイン人が選ぶ美しい村 No.2
アルコス・デ・ラ・フロンテーラはカディス県、ロンダはマラガ県に属します。
絵を描かずとも、アンダルシアの観光拠点としてあまりにも有名なこのロンダ、町のシンボルは、新旧市街を結ぶヌエボ橋と闘牛場です。ここにも3泊滞在しましたが、毎日ひっきりなしに日本からのツアーが到着しては、決まってパラドールに1泊し、去って行きました。たった1泊ではもったいない町です。
今回のオーガナイザー、絵画教室の先生が、20数年前にここを訪れた際スケッチしたものを作品にしたということで、先生にとっては思い出の地。そして、その教室の生徒さんにとっては「先生がかつてスケッチし作品にしたモチーフで、ぜひ自分も」という気持ちだったのでしょう。出発前の下調べからロケハンまで、非常に熱がこもっていました。
さらに、先生が作品にしたある家がバールになっていたのですが、たまたま生徒さんのひとりが、携帯電話にその作品の写真を入れてあったので、そのバールの主人に見せたら「昔のおれの家だ!」と言って意気投合した、というハプニングまでありました。
カベサ聖母の巡礼
アルコス・デ・ラ・フロンテーラ初日の夜、夕食をとっていると、突然外から賑やかな音が聞こえてきました。時刻は夜の9時頃、ツアー参加者はみんな食事もそこそこに急いで外に出て行き、ホテルの前を通るそのパレードを、写真に収めました。
日本の山車のように、マリア像の乗った山車を担いで練り歩く姿は、そのあとホテルのテレビで見た映像と合わせ推察すると、どうも巡礼のようです。
そして、その巡礼はロンダでも出会いました。 ロンダ初日の夜(土曜日)、ホテルレストランのウェイターが私に「今晩はロンダで特別なお祭りがあるから、食事が終わったらホテル前の大通りに出てごらん」と言いました。食後に外に出ると、アルコス・デ・ラ・フロンテーラで見た巡礼を、さらに大規模にしたようなパレードです。
帰国後調べたところ、これは、カベサ聖母の巡礼(Romeria la Virgen de la Cabeza)という、アンダルシアでよくみられる聖母巡礼のうちの一つでした。毎年5月初旬より、アンダルシア各地の巡礼団は各々山車を引き、ドニャーナ国立公園近くのエル・ロシオを目指して、馬や幌馬車で巡礼の旅をするそうです。
この旅の目的は、5月中旬に御輿に乗せられ教会から担ぎ出される聖母像のご加護を受けることだそうで、ロンダでは2010年の場合、8月28日までの毎週土曜日行われるそうです。
キリスト教信仰の各国の中で、スペインではキリストよりもマリア崇拝が強い、ということもわかりました。スケッチが目的ではありますが、このようにその土地のお祭りに遭遇するのも、旅のスパイスです。
スペイン政府観光局の出版物では「聖母カベサ」と記載されていますが、スペイン語は「Virgen de la Cabeza」となるので、当ページでの記載は「カベサ聖母」としました。
カサレスジュリアスシーザーに由来する村
マラガ〜アルコス・デ・ラ・フロンテーラの移動途中に立ち寄った村。
その昔、ジュリアスシーザーが遠征の際立ち寄り、この村近くで湯治をしたことから、村の名前になったカサレス(Casares)。ポルトガルとの国境の州、エクストラマドゥーラにある、世界遺産都市カセレス(Caceres)とは違います。アンダルシアにある白い村の中でも、重要な村です。
ヨーロッパの村や町はいずれもそうですが、村の入り口から中心の教会までは、ほぼ一本道。カサレスも例外ではありません。丘の上に建てられた、村の頂上にある教会まではかなり急な坂道。途中の村の中心、スペイン広場まではまだ緩やかですが、その先がとてもきつい。
やっとの思いで登った、頂上のエンカルナシオン教区教会は、事前の下調べではいい具合に朽ちた教会と紹介されていましたが、ちょうど改装が終わったばかりのようで、あいにく真新しい教会になっていました。 見晴らし台からは、ジブラルタルとその遠くに見えるアフリカ、モロッコまで見えます。
スペインに到着したばかりで、まだ日差しの強さに慣れておらず、白壁に反射する日差しがかなり厳しい村でした。
オルベラ この地域で最も美しいといわれる村
アルコスデラフロンテーラ〜ロンダの移動途中に立ち寄った村。
事前の下調べでは、この地域(白い村ルート一帯)で一番美しい村、と紹介されていましたが、スペイン人が選んだ美しい村にはランクインしていません。
名前の語源は諸説あり、ラテン語の「Ulva ウルヴァ: アオサ(緑藻の総称)の意味」に由来する説もあれば、周囲をオリーブで囲まれた村という意味の「Olivera」から由来するとも言われています。1983年に国の史跡に指定されました。
優美な2つの塔を備えたエンカルナシオン教区教会と、アラブ城が頂上にそびえた姿が印象的です。どの村も白壁ばかりではなく、教会の壁の色と白壁のコントラストが絵になります。
夏になる前の一番良い季節と思って訪問しましたが、日中は40度近い気温となり、シエスタが必要な毎日でした。
今回は、アンダルシアにあるスペイン人が選んだ美しい村をめぐりましたが、ちなみにNo.1は、スペイン北部、バスク地方に近いサンティヤーナ・デル・マルという村です。