フランス ブルゴーニュ 1
ヨーロッパ・スケッチツアー フランスの最も美しい村々
今回(2006.5.22〜6.1)は、フランス ブルゴーニュへのスケッチツアーです。
前回訪れたミディ=ピレネーもそうですが、フランスには「フランスの最も美しい村々協会」があり、その遺産の重要性、村の区画整備状態、遺産活用の適正度により認定されるもので、その基準を満たした村はその名の通りフランスの美しい村々の一つとして認定されます。必ず村の入り口には看板が立っており、その看板が認定の証です。最も多いのはミディ=ピレネーからプロヴァンスあたりですが、ブルゴーニュにも認定された美しい村々が多く、そんな美しい村々を巡る旅です。今回訪れた各村々の所在は地図をご参照ください。一部、地図にない村もあります。
今回も人数が多くバスで回りましたが、個人旅行の場合はどの村も列車で回るには少々難しく、最寄の駅からタクシーなどを利用するしかありません。レンタカーを利用できる方は、レンタカーで回るのが良いでしょう。山を越え、一面の畑を抜けると突然見えてくる町全体のシルエットの美しさは、車での移動ならではです。
下記に紹介以外の写真はPhoto Galleryにてご覧ください。
ノワイエ=シュル=スラン|スラン川の蛇行に囲まれた中世の村
ブルゴーニュの小さな村を巡る拠点として、最初にブルゴーニュの古都オーセール(オセール)に3泊しました。ノワイエシュールスランはこのオーセール(オセール)より日帰りしました(片道39km)。町の入り口には小さなホテルもありますので、団体旅行でなければ泊まることも可能ですが、人口がたった789人の本当に小さな村ですので、宿泊しなくても一日で十分ご覧になれます。
村の入り口はアヴァロン門。ここをくぐると、村の外とはがらっとイメージが変わり、15世紀の世界が広がります。左の写真は村の反対側まで行ってスラン川沿いの道を見たものです。サイロのような円柱形の形が各家々にあります。これはブルゴーニュの建物の特徴なのでしょう、その他の村でも多く見られた形です。
この村で面白かったのは、アヴァロン門をくぐってから左に折れたところのカフェ。カウンターにまで上り、挙句の果てにはレジスターの上にたたずむ猫がいました。あまり面白いので写真に収めたのですが、日本でなら躍起になっておろすところ、でも店のマスターもあまり気にしていませんでした。
ヴェズレー|サンティアゴ・デ・コンポステラへの起点
このツアーのハイライトとして日程に加えた村、ヴェズレー。世界遺産でもあるサントマドレーヌ聖堂を村の頂点としています。サンティアゴ・デ・コンポステラへの巡礼路の起点であったため、滞在中も巡礼の姿をした人が多くいました。ロマン・ローランが晩年を過ごした家もあります。
今回はフランスを旅行するのに最も良い季節であったにもかかわらず、雨ばかりでした。おかげでよい写真をとることが出来ませんでした。
麓のもっと小さな村、St-Pereにはミシュランが格付けをしたことで一躍有名になったレストランがあり、ヴェズレーにもミシュラン2っ星の「Saint Etienne」があります。ご夫婦でやっている小さなレストランで、とても美味しくて上品な料理を頂きました。
宿泊したホテルHotel de la Poste et du Lion d'Orは町の入り口の広場に面するとてもロケーションの良いホテルです。使い勝手もよく、スタッフもとても気持ちの良い人たちばかりですが、唯一気になるのはエレベーターがないこと。眺めの良い部屋に泊まるには多少我慢が必要な場合があるのかもしれません。この写真は3階から村全体を眺めて撮りました。
フラヴィニー=シュル=オズラン|映画「ショコラ」のロケ地
この村こそ、まるでおとぎ話に出てくるような村です。ジュリエット・ビノシュとジョニー・デップが共演した映画「ショコラ」では、実在の村ではなく「フランスのある村での物語り」として描かれています。
この村へ訪れた時は土砂降りの雨。それが突然晴れて陽がさしたと思ったらどこからともなく冷たい風が吹いてきてまた雨が降り出し、今度は雨がやんでも晴れ間は訪れることなく靄でかすんだりと、天候までもが幻想的でした。
この村の名産はアニスキャンディー。シャルルドゴール空港でも売っているらしいですが、この村にかわいらしいショップがありますので、コチラでどうぞ。
村の中央にあるたったカフェ兼レストランはたった1軒。そこには映画のロケ地になったことを伝える地元の新聞や映画のポスターが貼ってありました。
ペスム(ペム)|美しい色瓦の屋根の教会
この村のみ、厳密にはブルゴーニュ地方ではなく、お隣のフランシュ=コンテ地方の村です。ディジョンから43kmと近く、日帰りにもちょうど良い距離と思いまして日程に加えました。ここでもあいにくの雨でしたが、突然晴れることもあり、一日中雨というようなことはありませんでした。
ここで印象深かったのは立ち寄ったカフェ。入り口を入るとカウンターが1本あり、カウンター奥の壁一面には各国のお札がピンで留められていました。たくさんのお札を隅々まで眺めると日本のお札は見当たらず。そこで、財布から千円札を取り出してマスターに渡し、壁に貼ってもらうよう頼みました。非常に喜んでくれました。またこの小さな村に日本人が来たという証になった、とでも思っているのでしょうか、密かな満足感を得たという表情でした。
町の一番の風景は、オグノン川に架かる橋のディジョン側からの眺め(右写真)。このアングルの写真がどの案内にも出ているので、きっとたくさんの方がココに立ちカメラを構えたのでしょう。ブルゴーニュ地方に顕著な色瓦の屋根の教会がとても印象的でした。
モデルプラン|ブルゴーニュ 1 フランスの風景をスケッチ
サンプル日程
その他、最も美しい村々に登録されてはいませんが、オーセール(オセール)や、スミュール=アン=オーソワ(スミュール=アン=ノーソワ)などもお勧めです。また、ディジョンからは、ボーヌをはじめとするコート=ドールのワイナリー巡りも楽しいと思いますので、田舎町の風景のアクセントに訪れてみてはいかがでしょうか?
上記日程は、絵画教室の先生と生徒のみなさんがモチーフに合うロケーションにて作品を仕上げることを目的にしたスケッチツアーの催行事例の概要です。
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このツアーのプランニングは、同業界の大先輩 菊間潤吾氏著書の「フランスの美しき村」(新潮社)を参考にさせていただきました。この場を借りて御礼申し上げます。