フランス ブルゴーニュ 2

ヨーロッパ・スケッチツアー オーダーメイド 個人からグループまで

秋のブルゴーニュもお勧めです

今回(2007.10.2〜16)は、昨年に引き続き、フランスのブルゴーニュへのスケッチツアーです。

前回は8泊11日のツアーでしたが、今回のお客様のご要望は、日程を15日にすることでした。

当然、前回と同様のプランでは足りるわけがなく、新しい村を紹介しなくてはなりません。前回訪れたオーセール(オセール)3泊、ヴェズレー3泊、途中ノワイエ=シュール=スランやスミュール=アン=オーソワ(スミュール=アン=ノーソワ)、フラヴィニー=シュル=オズランなどを経由しましたので、ここでは割愛します。これらの様子は、前回のブルゴーニュ 1をご覧ください。また、これらの村の秋の様子を収めた写真もPhoto Galleryに追加しました。

以下は、新たに訪れた村の様子です。

オータンローマ時代の城壁に囲まれた古都

オータン

ブルゴーニュは4つの県に分かれています。前回訪問の各都市は、主にヨンヌ県とコート・ドール県を巡るツアーでした。今回はさらに南下して、ソーヌ=エ=ロワール県の町や村を追加して企画してみました。その最初の都市が、オータンです。

オータンは、ブルゴーニュのちょうど真ん中に位置し、ローマ帝国時代の城壁に囲まれた古都です。その名前は、ローマ帝国の初代皇帝、アウグストゥスの砦(AUGUSTODUNUM)から転訛、つまり発音がなまったものだそうです。古代から交通の要衝として、本家のローマ帝国とともに発展し、ローマ帝国の妹、ライバルともいわれたそうです。

町のランドマークは、サン・ラザール大聖堂。聖堂は12世紀にロマネスク様式で建てられましたが、鐘楼は15世紀にゴシック様式で再建築されたものです。ヴェズレーのサント・マドレーヌ聖堂のものと双璧をなす、見事なタンパン。刻まれているのは、「最後の審判」の図像です。

初めて訪れる町は、どこがスケッチポイントになるかわかりません。町の端から端まで歩いて、「ここだ!」と思われるポイントが見つけられた時は、何とも言えない気持ちになります。ツアー参加者にご案内し、すぐさまスケッチの用意をしていただいた時が、「この町でもスケッチが十分できる」という確証を得たときです。今回は、町中で適当なポイントが見つからないということで、この大聖堂を含む遠景を探して、上写真のようないいポイントを見つけることができました。

古代ローマ帝国の面影を残す円形劇場跡や、サンタンドレ門(残念ながら目の前が工事中でした)をはじめとする城壁内への入り口などは、観光都市としても良いと思います。

宿泊したのは、Hotel Restaurant La Tete Noire。ホテル・レストランというだけあり、毎日夕食がおいしく好評でした。又、無線LANが無料で利用できるので、パソコンを持って旅行する方には便利なホテルです。すぐ隣には、かのナポレオンも滞在したというHotel St-Luis et de la Posteもありましたが、2っ星。一般的に、日本人が利用するには設備が不十分したので、今回は利用しませんでした。

ブランシオンいちかばちかの村

ブランシオン

以前訪れている町や村であれば、観たこと感じたことを含めた、自分の言葉で具体的にご説明できてるのですが、初めて訪れる村はそうはいきません。プランに入れるのは、かなり勇気のいるもので、たとえ豊富な資料をもとに町や町、村を調べて、「是非コレ」と自信を持って日程には加えたものの、好感触を得るまではドキドキです。

オータンからクリュニーへ移動する際の、立ち寄りスケッチ・ポイントとして選んだブランシオン。この村へ向かう途中は、いつもよりドキドキでした。というのも、資料らしい資料はほとんどなく、かといって、他にめぼしいスケッチポイントもなく、前回のブルゴーニュ・ツアーの企画から参考にさせていただいた同業界の大先輩、菊間潤吾氏著書の「フランスの美しき村」(新潮社)に記載されていた、「天国に一番近い教会」というその一言だけを頼りに、日程に加えてみました。かなり念入りに調べましたが、この村を紹介する資料もウェブサイトもなく、言葉通り、いちかばちかプランに入れた村です。

その賭けは、見事大当たり!でした。

とても小さな村なのですが、スケッチにもよく、観光でも是非立ち寄っていただきたいとお勧めできる村でした。12世紀に建てられたサン・ピエール教会は、ほかのどの町、村の教会とも違い、石を積み上げただけの質素な造り。きらびやかな装飾もなく、素朴の一言に尽きるのですが、その存在感には圧倒されます。村の入り口にあるブランシオン城の城壁の小窓からの村の様子は、絵画のよう。また、サン・ピエール教会の前は、その小高いブランシオンの麓の村を望むことができ、その景色もとても絵になります。

村人に聞いたのですが、ちょうど私たちが訪れる4日前に、NHKの撮影隊がこの村を訪れたそうです。帰国後すぐ、BSハイビジョンでこの村を紹介する番組が放映されたのは、この村が如何に素晴らしいかという証拠です。カフェ兼レストラン兼土産物屋の店が1軒あるだけで、それ以外は何もない村ですが、最も美しい村々に認定されていないのが不思議なくらい、とてもとても美しい村でした。

クリュニーブルゴーニュ・ロマネスクの中心地

クリュニー

ブルゴーニュ・ロマネスクの中心地、クリュニー。その代表的な建造物、クリュニー大修道院は、残念ながらフランス革命後の破壊行為によって廃墟と化していますが、現存する交差廊の塔や敷地の広大さから、往事のクリュニー大修道院が偲ばれ、その巨大な規模に圧倒されます。ローマのサンピエトロ寺院建造前までは、欧州一の大きな建物であったことが文献として残されています。日本ではあまりなじみのないこの町も、キリスト教徒には重要な町なのでしょう。

町の中心、ツーリスト・オフィスから入場できるチーズの塔からは、この町を一望できます。昨年、トスカーナでルッカの時計塔に登り、大変な思い(高所恐怖症のため)をしたにもかかわらず、懲りずに登ってみました。ある程度広い町ですので、スケッチポイントもあちこちにちりばめられています。

以外かもしれませんが、今までツアー中に参加者が誕生日を迎えるという事態を経験したことがなく、添乗してまいりました。ところが、今回、ここクリュニー滞在中にお誕生日を迎えるお客様がいらっしゃいまして、どうしたものかと考えました。

今回の宿泊ホテルHotel Saint-Odilonには、夕食をとることができるレストランがなく、滞在中の夕食はホテル近くのレストラン。そのレストランで、デザートをバースデー・ケーキに変更してもらうことにしました。誕生日を迎えた方はもちろん、周りの参加者にもとても喜んでいただけました。ツアー中のサプライズは旅のスパイスになります。

マコン帰国の朝 突然に

マコン

ツアー最終日は、翌日リヨン空港から帰国するためマコンに1泊しました。もともと、マコンではスケッチをする予定ではなく、最終日ということもあり、のんびりと過ごしていただこうと選んだ町です。日本では、マコン・ヴィラージュなどのワインが有名です。

ところが、町についてみると意外とスケッチできるポイントがあり、自由行動のため解散と同時に、皆様三々五々散らばっていかれました。到着した時は、霧が深く何も見えなかったのですが、霧が晴れると町の景色がはっきりと現れました。ソーヌ川にかかるサン・ローラン橋と旧大聖堂サン・ヴァンサン教会の素晴らしさや、サン・ピエール大聖堂(上写真)などが見えてきました。ここで2泊くらいしても良かったのでは、と思うほどでした。

今回のツアーの中で、とても評判の良かったHotel Bellevueで1泊し、最終日は一路バスでリヨン空港に向かいました。ところが、走り出して10分、突然バスが止まってしまったのです。ドライバーに聞くと、どうもトランスミッション・レバーの軸が折れてしまったようで、どうにもならないとのこと。最後まで事故も怪我や病気もなく、順調にきた今回のツアーですが、最終日にこのような事態が待っていたとは、思いもよりませんでした。すぐに、今回の現地手配をしてもらったパリの手配会社に連絡をして、状況を説明。

リヨン空港までの代替移動案を検討したのですが、どれも搭乗予定のフライトには、どうも間に合いそうにもありません。バスでパリ、シャルル・ド・ゴール空港まで移動するにも時間が足りません。よっぽどリヨン以外の近隣空港へ移動し、そこからパリに移動しようということも考えたのですが、この日に限ってフライトに空きがないとのこと。

「これはリヨンかパリに1泊?」と頭をよぎりましたが、何度も電話でやり取りしているうちに、「TGVでパリまで移動してはどうか」ということになり、代替のバスをよこしてもらい、リヨンまで大至急、でも安全運転で移動。

お客様には駅で全力で走っていただき、ぎりぎり(若干遅延?)でTGVに乗車。パリの空港駅からチェックイン・カウンターまで、またまた全力疾走。予定していたパリからの帰国便に、なんとか搭乗することができました。

現地手配会社の好アシストもありましたが、予期せぬ出来事の連続で、予定通りに帰国できたのが不思議なくらい。お客様曰く「このおかげでTGVにも乗ることができて、かえってよかった」です・・・当社はお客様に恵まれています。

最後はドタバタでしたが、どの町もどの村も気に入っていただけ、大成功のツアーでした。今回は、めったに出来ない体験エピソードも加わって、とてもよい旅になりました。当分、最も美しい村々巡りは続きそうです。

秋のブルゴーニュは天候がとても良く、晴れれば絶好のスケッチ日和です。しかしながら、今回はどの町でも朝は霧が深く、特にヴェズレーのような標高の高い村や、マコンのような大きな川が近くにある町は、お昼頃まで霧が晴れないときもありました。観光なら、霧の街並みを歩くのも良いかもしれませんが、スケッチをされる方には、霧が晴れるまでの時間がもったいないと感じることもあるでしょう。時間がのんびりと過ぎるこの地方では、それも好しとしたほうが良いのかもしれません。

ブルゴーニュ 1では、フランスの最も美しい村々を巡りましたが、上記にご案内した各町、村はその認定を受けていません。それでも各町、村ごとに良さがありました。

ブルゴーニュ 2 フランスの風景をスケッチ

サンプル日程

1日目
日本発 パリ
エールフランス航空利用の場合 ≫成田, 羽田発 ≫関空発 又は他訪問地よりパリへ 他の空港発や航空会社ご利用もスケジュールによりご案内可能です
パリ シャルル・ド・ゴール空港到着後 専用バスにてヨンヌ川沿いの美しい古都オーセールへ(約3時間)
到着後 ホテルチェックイン
夕食: ホテルにて
2日目〜3日目
朝食: ホテルにて
初日 午前 市内をロケハン 後自由スケッチ 翌日 終日自由スケッチ
夕食: ホテルにて
4日目
朝食: ホテルにて
ホテルチェックアウト後 専用バスにて 「フランスの最も美しい村々」認定のノワイエ=シュル=スランへ 約40分
到着後 自由スケッチ
スケッチ後 専用バスにて サンティアゴ・デ・コンポステラへの巡礼路の起点ヴェズレーへ 約40分
到着後 ホテルチェックイン
夕食: ホテルにて
5日目〜6日目
朝食: ホテルにて
初日 午前 市内をロケハン 後自由スケッチ 翌日 終日自由スケッチ
夕食: ホテルにて
7日目
朝食: ホテルにて
ホテルチェックアウト後 専用バスにて 輪を描くように蛇行するアルマンソン川に囲まれた城砦都市スミュール=アン=オーソワへ 約1.5時間
到着後 自由スケッチ
スケッチ後 専用バスにて ローマ時代の城壁に囲まれた古都オータンへ 約1時間
到着後 ホテルチェックイン
夕食: ホテルにて
8日目〜9日目
朝食: ホテルにて
初日 午前 市内をロケハン 後自由スケッチ 翌日 終日自由スケッチ
夕食: ホテルにて
10日目
朝食: ホテルにて
ホテルチェックアウト後 専用バスにて 12世紀に建てられたサン・ピエール教会を中心とする小さな村ブランシオンへ 約1.5時間
到着後 自由スケッチ
スケッチ後 専用バスにて ブルゴーニュ・ロマネスクの中心クリュニーへ 約1時間
到着後 ホテルチェックイン
夕食: ホテルにて
11日目〜12日目
朝食: ホテルにて
初日 午前 市内をロケハン 後自由スケッチ 翌日 終日自由スケッチ
夕食: ホテルにて
13日目
朝食: ホテルにて
ホテルチェックアウト後 専用バスにて ソーヌ川河畔に位置するブルゴーニュ地域圏の都市マコンへ 約30分
到着後 ホテルチェックイン
午後 自由スケッチ
夕食: ホテルにて
14日目
朝食: ホテルにて
ホテルチェックアウト後 専用バスにてリヨン空港へ 約1.5時間
リヨン発 日本へ
エールフランス航空利用の場合 ≫パリ経由 成田着 ≫パリ経由 関空着 又は他訪問地へ 他の空港着や航空会社ご利用も スケジュールによりご案内可能です
機内 泊 日程Top ↑
15日目
日本着
スケジュールは予告なく変更される場合があります

上記日程は、絵画教室の先生と生徒のみなさんがモチーフに合うロケーションにて作品を仕上げることを目的にしたスケッチツアーの催行事例の概要です。

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趣きのある小さな町や村は、個人旅行にもお勧めしたいところです。絵になるブルゴーニュへ、訪れてみてはいかがでしょうか。

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